開催レポート

  1. 「2019年度災害危機管理シンポジウム」を開催しました

「2019年度災害危機管理シンポジウム」を開催しました

最終更新日:2020.01.16

島嶼県沖縄の地域防災力を高めることを目的としたシンポジウムを1月14日(火)に沖縄産業支援センターで開催し、140名が参加しました。今回も県内外から多彩なパネラーにご参加いただき、貴重な取組事例をご共有いただきました。ご登壇くださいました皆様、ご協力ありがとうございました。今後も本シンポジウムを継続して実施していくことで地域防災力向上に寄与して参りたいと考えております。

  • Introduction

    基調講演を行う名古屋大学減災連携研究センター長 福和氏①

  • 基調講演を行う名古屋大学減災連携研究センター長 福和氏②

基調講演の冒頭、名古屋大学減災連携研究センターの福和伸夫センター長が、今回の来沖の際に撮影した、ある市町村庁舎の写真を示し、「庁舎内の棚や備品が全く固定されていない。大地震のことなど想定していない。これでは地域住民を大規模災害から守れるはずがない」という厳しいことばからスタートし、さらに来場者の中で自宅の家具をきちんと固定している人がたった1人だけであることがわかると「今日の出席者のほとんどが、むしろ災害が起こったときに支援する側だと聞いていましたが、本当にこれで大丈夫でしょうか。」と不安を吐露しました。

「ホンネとホンキで必ずくる震災を乗り越える」をテーマに行われた基調講演では、南海トラフ地震の発生確率が今後30年度で70%~80%であることや、琉球海溝との関連もあり、沖縄でも大きな地震や津波が起こる可能性があると強調されました。また、過去に幾度となく激甚災害を経験してきた日本であるにも関わらず、災害発生後の復旧・復興に関しては平成以前の構図のままであったり、液状化しやすい埋め立て地にタワーマンションが続々と建設されるなど、過去の教訓があまり活かされていないとの指摘があり、今後の復旧・復興、またまちづくりの在り方について考えさせられました。

引き続き(一財)ダイバーシティ研究所代表理事の田村太郎氏によりパネルディスカッションの導入のお話として、過去と近年における「要支援者」と「災害対応力」を比較した図表をもとに、「以前のように公助や災害ボランティアに支援依存する時代は終焉し、外部からの支援がなくても誰も死なない避難所運営を行う必要性がある」とのお話がありました。

「島嶼部の抱える問題と沖縄特有の地域防災をテーマとしたパネルディスカッションには、総務省沖縄総合通信事務所 総括調整官 防災対策推進室長 伊藤 弘道氏、気象庁沖縄気象台地震火山課長 下坪 善浩氏、株式会社セコマ広報部長 佐々木 威知氏、在沖米国総領事館 首席領事政治軍事経済担当領事 ヒラリー・ダウアー氏も加わり、それぞれの立場から災害に直面した場合の仮題や展望をお話いただきました。

とりわけ、2018年9月の北海道胆振東部地震においては、北海道全域がブラックアウトとなる中、発災当日から道内95%のコンビニエンスストア「セイコーマート」で営業を継続し、“神対応”と評価された株式会社セコマの佐々木部長から「北海道地震が発災視した際、本部から従業員に指示なく、午前3時から自主的に出勤し対応する者も少なくなかった。会社と従業員、また関係機関との平時からの顔の見える化をとても大事にしている」という事例に触れ、災害時における機動的かつ柔軟的な対応や、店舗への商品供給を継続し続けることで、地域住民や自治体等からの物資支援要請に応える基盤を整えているとのお話をいただき、同じ島嶼県である沖縄での地域防災力の向上に向けてヒントを得ることができました。


  •  

 

本ホームページをより良いサイトにするために、皆さまのご意見・ご感想をお聞かせください。

このページはお役に立ちましたか?

送信する