開催レポート
医療通訳ボランティア養成講座を実施しました
最終更新日:2018.07.06
6月9日(土)から全7回、毎週末に医療通訳ボランティア養成講座を実施しました。本事業は、在住外国人が地元の医療機関をことばの壁などを気にすることなく、安心して医療にかかれる環境整備の一環として実施しております。今回は80名の応募の中から30名が受講し、医療講義を通して最新の医療知識を深化させ、また語学別に分かれてのロールプレイを通して、医療通訳する際の基礎的なスキルを身につけました。
医療講義では、様々な診療科目の先生方にご協力いただき、医療現場での経験や通訳者として知っておいた方がよい知識等についてご講義いただきました。あにも調剤薬局薬剤師の阪本先生には「薬剤医療の現場から」をテーマに、「日本における医薬分業制度」に関することや普段何気なく服用している薬(ジェネリック医薬品)に関する基礎知識、また薬の飲み合わせによる副作用等についてお話いただきました。
沖縄科学技術大学院大学のがんじゅうサービスカウンセラーとして外国人の心のケアに携わっている糸数先生や山本クリニック院長の山本先生からは、それぞれ心療内科の現場から、外国人とコミュニケーションを図る際の留意点や、またボランティアとして外国人と心療内科受診に帯同するときに気を付ける点等についてご講義をいただきました。
琉球大学大学院救急医学部部長の久木田先生には「緊急医療の現場」についてご講義をいただきました。ボランティアとして緊急と重篤を扱う医療通訳を担うことはありませんが、災害時などの緊急時にどのような流れで活動するのか等について紹介されました。国内外での緊急医療支援活動等についてもこれまでの様々な事例が紹介され、参加者からは驚きの声が寄せられました。
最後の医療講義では、豊見城中央病院小児科部長の奥間先生から「小児科医療の現場」からをテーマに、赤ちゃんの不調をどのようにして見極めるかに関して、「けいれん」「吐いた」「お腹が痛い」など様々な状況に応じてご講義いただきました。ことばを発することができない赤ちゃんにとって、大切なバイタルサインの1つとして「赤ちゃんの機嫌や活気を確認すること」がいかに重要か、学ぶことができました。
各講義の後半には英語・中国語・韓国語・スペイン語に分かれての語学講義を行い、実際に患者役・医師役・通訳役に分かれてのロールプレイが行われました。英語のクラスでは造影剤検査の流れを想定したロールプレイを行ったり、一連の検診の流れに関する内容を実践するなど、苦戦しながらも参加者は与えられた役割を懸命にこなしていました。
今回、全7回を無事受講された30名があらたに8期生として、財団の医療通訳ボランティアとして登録されることになりました。受講者からは「貴重な1ヶ月でした。せっかく知り合うことができた仲間と離れるのは寂しいですが、さらに知識を深められるよう、がんばります」などの感想が寄せられました。今後は財団から活動要請がメールで届きます。初めての活動で手を挙げるのはとても勇気がいることかと思いますが、出来る範囲でご協力頂けますと幸いです。受講者の皆さん、全7回の講座、大変お疲れ様でした!
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